PTR620 ケーブル・ブレーカー探索機

2023年2月 某所にて幹線ケーブル1.2mm(20ペア)のケーブル探索を実施。

非常放送回路で、電源を落とすことなく探索を行い、ノイズ等の発生もなかったとのこと。

100m以上の館内のケーブル引き回しを経由したうえで、非常放送設備本体部でケーブル識別を行い、無事目的のケーブルを発見することができたとのこと。

【設備背面】  
【中継盤】  
【天井裏】

現場状況

竣工後、30年以上経過した建物内の幹線ケーブル引替を実施するにあたり、多数存在する同様のケーブルから目的の場所の含まれる幹線ケーブルを特定し、先行敷設した上で繋ぎ変える工事を行う。ただし、放送できない時間を最短とする為、幹線ケーブル特定も運用状態で実施する必要があった。

調査時の詳細

館内放送設備の幹線接続部から最終目的地まで全長300mを超えており多数の信号線、動力線等が交錯し、工事資料等から現状を把握することができない状況であった。想定される中継盤からおおよそ見当を付けた幹線ケーブルHP1.2-20Pを一括クランプし、信号を重畳した。館内放送設備接続部と想定される幹線ケーブルから分配配線した配線が多段中継接続されいたため重畳信号を頼りに判別する方法をとったのだ。中継盤から放送設備までは100m程度であったので幹線ケーブル本体の識別は意外なほど簡単に重畳信号を受信出来た。現場での使用初めは活線信号なのか重畳信号なのか雑音混じりに聞こえているのであろうと思い、それらしき幹線ケーブルに探査器を当てまくった。数回繰り返すとその中に、重畳信号をきれいに拾うケーブルがあった。埋もれた配線の中の1本が識別されたのだ。

幹線ケーブルは中継盤にて分配をされ最終目的地のケーブルは5Pまで減らした状態で接続されていた。中継盤が5Pまで分配している場所を特定するのに離線することもなく、設備運用状態のまま信号を重畳しても放送設備にノイズや異音が入ることは無かった。

 
後日、放送設備メーカーの立ち会いのもと、目的施設への回線を接続しているとされる端子部から200m離れた中継盤内の5Pケーブル間で重畳信号を入れ、20P幹線ケーブルを通過させているにも関わらず、5Pの芯線を判別出来た。